「niko and ... TOKYO」の
ディスプレイが都会のオフィスに出現!?
ニコアンド出張DIY。
遡ること3ヶ月。「ついつい引き寄せられる櫓(やぐら)」テーマで、「niko and ... TOKYO」の2階に大きな木製ドームが組立てられた。ニコアンドVMDチームが手がけたそれは、どこか秘密基地のようで、思わず童心に返ってしまうようなワクワク感がある。そんなドームに一目惚れをし、「ぜひオフィスに建てて欲しい!」と、来店していたお客さんから声が上がったのは、ゴールデンウィーク前のこと。声を上げたのは原宿でイベントプロデュースを行う会社「グローバルプロデュース」を運営している光畑さんという方。お話を聞いてみると何やらとてもユニーク。常に面白いことを探しているニコアンドとは相性抜群で、実際にドームを設置することに。
ということで今回は「グローバルプロデュース」へドーム設置にいたる様子を密着取材。一体オフィスにどういったスペースが出来上がるのでしょうか。レポート形式でお届けします!
倉地誠(右)
くらち まこと:ニコアンドVMD/ 「niko and ... TOKYO」をはじめとしたさまざまな店舗の内装演出を手がける。この度スタートしたニコアンドがプロデュースするハウス事業プロジェクト「niko and ... EDIT HOUSE」でもその辣腕を振るう。
光畑真樹(左)
こうはた まさき:グローバルプロデュース 代表取締役・クリエイティブディレクター/ 国内外問わず年間150以上のイベントをプロデュースするグローバルプロデュースのボス。今回、ニコアンドに設営された木製ドームに一目惚れ。 www.global-produce.jp
話のきっかけは、
まさに偶然の賜物
「雑誌のように編集し、特集と連載を持つお店」をコンセプトに、45〜60日のサイクルで特集テーマが変わる「niko and ... TOKYO」。その度に入口を中心とした店内のディスプレイをニコアンドのVMDチームを中心にスタッフがDIYで売り場を作っている。
そこに訪れ今回の主役でもある木製ドームに魅了されたのが光畑真樹さんだ。「niko and ... TOKYO」からほど近い原宿エリアでイベントプロデュース会社をしている「グローバルプロデュース」で代表取締役社長を務めている。
「部下に連れられて初めてTOKYO店に入ったんですが、このドームを見た瞬間に一目惚れしてしまい、そのままショップスタッフの方に『これは作ってもらえるんですか?』と声をかけてしまいました(笑)。私たちの会社は、主に株主総会や企業が実施するカンファレンスなどの企画や運営をしている会社なのですが、オフィスにこういった非日常的な空間を作ることで、思いがけないアイディアやクリエイティブを引き出してくれるような存在になったり、社員同士がコミュニケーションを積極的に取れるような場所にできたらなと思ったんです(光畑)」。
niko and ... TOKYOのドーム
そんな思いがけないお話を聞いたのが、たまたま店頭に居合わせていたニコアンドのVMDを務める倉地誠さん。今回ドームの制作を行った人物だ。倉地さんが話を聞き進めると光畑さんからの依頼はいまのニコアンドにフィットしたとても魅力的で面白い試みに感じられたそう。双方にとってまさに偶然の賜物。そうして、ショップのVMDという枠を飛び超え、お店ではない場所の演出の提案をすることに。
「これまで色々と制作してきていますが、こういったご依頼を受けることはなかったので、ご相談いただいたときは、すごく嬉しかったです。しかも、光畑さんはたまたま来てくださったタイミングで、ドームを一目見てすぐに声をかけてくださったので。一体どんな感性をお持ちの方なんだろうと、色々話してみたいなと思いました(倉地)」
話はスピーディに進み、
いよいよドーム設営開始!
実際にドームを設置したい場所を確認し、サイズを計測、そしてどんな空間にしたいかを希望をヒアリング。そのスピード感に光畑さんはとても驚いたそう。
「たまたま店頭にいらっしゃった倉地さんと軽く打ち合わせをして、その足でオフィスに来ていただきました。そのフットワークに驚きました。アパレルのお店じゃなくて、工務店だったっけ?と思うくらい(笑)。手際の良さにもびっくりでしたね(光畑)」
まだドームが置かれる前のオフィスの状態。
ヘリンボーン柄の組み木の壁面がドームとマッチしそう。
天井の高さは約3mほど。
今回の舞台となるのは「グローバルプロデュース」のエントランスからほど近いオフィスの一角。普段は、会議室や休憩スペースとして使われている場所に、新たな憩いの場としてドームが設置される。
木材の種類はヒノキ。木の香りがオフィスにふんわりと漂う。
「実はこのドーム、元々は木材の展示会に行った際に見つけたものなんです。手がけていたのはとある木工団地。見た瞬間に気に入ってしまい、店内にこれを建てたらすごくかっこいいだろうなと思ったんです。木工団地側も、まさかアパレルショップがディスプレイ用で使用することを想定していなかったみたいで。とても驚いていましたね(倉地)」。
まずは、ドームの土台作りから。円状に木を並べ、その間に支柱となる部分を立てていく。
送られてきた木材は、組み立て式。木材のくり抜かれた箇所に、木材の出っ張っている部分をはめていく仕組みになっている。
木製ドーム組み立て中...
配置をしたあとは、
ガードでしっかりと周りを止める。
そして土台と支柱を
ビスでしっかりと固定していく。
上の部分にも同じように枠をはめる。
作業はVMDの倉地さんと、通称「なんでも作るくん」ことVMD松田さんの2人。
ニコアンドの数々の造作物をこの二人で手がけてきた。
丁寧にビスを打ち込んでいく。
30分たらずで土台となる部分が完成!
幾何学模様を表現する上で欠かせない「hitode bracket」。
複雑なつなぎ目をシンプルな工程で叶えてくれる。
いくつもの三角形が合わさったような
幾何学模様が段々と作られていく。
次第に立体的に
起き上がっていく。
どんどん大きくなり、ドームらしくなってきた。
約1時間半で木製ドームの完成!店頭に比べて少し小ぶりにアジャストされたサイズ感ながらインパクトのあるビジュアルはそのまま。
最後はドームを
よりユニークに彩るスタイリング。
たった二人での作業にも関わらず、あっという間に出来上がった木製ドーム。さらに心地よい空間にしていくために、倉地さんが「niko and ... TOKYO」でセレクトしたアイテムでスペースを彩っていく。
「開放的な作りなので、室内にいるけど、どこかアウトドアな要素を感じられるように、キャンプなどでも使えるアイテムをメインに選びました(倉地)」
床には芝生を彷彿とさせるような緑色のラグを配置。室内に居ながらどこか開放的な気分になれる。
ニコアンドでも大人気のアウトドアライン「CITY CREEK」の折りたたみ式チェア。
同じく「CITY CREEK」の折りたたみ式のテーブルを並べてよりリラックス出来る空間に。
サイドのウッドフレームには、ティッシュをはじめとしたさまざまなツールが収納できるハンギングオーガナイザーを設置。
天井のドーム部分からは植物をハンギング。ロープも合わせて吊るすことで、立体的に空間を彩っていく。
会社案内などが入れられるラックに加えて、お手玉サイズのおもちゃも。打ち合わせの合間などに遊んで、頭を柔らかくして欲しいという倉地さんのユニークなアイディアから。
ラック(右)¥1,870(税込)※店舗限定商品
ラック(左)¥2,962(税込)※店舗限定商品
ディスプレイも終わり、オフィスの一角に憩いのスペースが誕生。
なにもない状態から木製ドーム設置まで2時間ほどで、オフィスのフリースペースを彩る憩いの場が完成。最後に、今回依頼したグローバルプロデュースの光畑さんと、制作を担当した倉地さんに出来合った空間を見ながら感想を聞いた。
「想像以上の仕上がりにとてもびっくりしました!今後、社員たちのコミュニケーションの場として使っていけたらとも思っています。ただ、それ以上に私たちの会社は、クライアントさんもよく来社するので、会社のブランディングのひとつとしても使っていけたらいいなと思っています。会社の一角にこういったスペースを作ることで、私たちがどういったモノをいいと思っているか、そして私たちが持ち合わせているユーモアを感じてもらえたら嬉しいですね(光畑)」
「社員同士もそうですが、クライアントさんとも話が広がるきっかけになってくれたらいいですよね。今回、ディスプレイはあまりモノを置きすぎずに、余白を作ることを大切にしました。グローバルプロデュースさんならではのムードを付け加えていってもらって、引き続き楽しんでもらいたいです(倉地)」