niko and ... JEANS 2025 Product Catalog.
READ MORE
ファッションを語る上で欠かせない定番品のひとつにデニムアイテムがあります。着込むことで味わいや風合いが増していく魅力的なこのアイテムを、ニコアンドのフィルターに通してアップデートしたのが「NKJ」ラインです。
デニムがもつタフさやラフなイメージはそのままに、ジョイフルで心がときめくようなデザイン性が特徴です。
ここでは本シーズンの中から6つのアイテムをピックアップ。デザインをご担当される石井さんに、各アイテムの見どころやもの作りの秘訣ついて語っていただきました。
Index
Designer’s Profile
石井さくら
ニコアンドウィメンズのデザイナー。「NKJ」のウィメンズコレクションのデザインを手掛ける。ニコアンドでは主にトップスを担当し、メンズライクなカジュアルテイストやポップでキャッチーなデザインを得意とする。
item no.01
Belted Barrel Denim
ベルト付きバレルデニム
item no.01
Belted Barrel Denim
ベルト付きバレルデニム
パターンを何度も修正した
こだわりのシルエット
ニコアンドが得意とする普遍的なカジュアルスタイルは、ワークやミリタリー、そしてトラッドといった、たくさんの要素から生まれています。そしてもうひとつ、忘れてはならないのが“リメイク”というキーワードです。「Belted Barrel Denim」は、ウエストが大きなデニムを再構築したデザインがポイント。ウエストを摘んで、後ろから前に包み込むように折り返すことによってタックが生まれ、そこから膨らみのあるバレルシルエットが描かれます。この流れるようなラインを表現するために、パタンナーと相談しながら、タックの位置をミリ単位で何度も調整を繰り返しました。そしてドット柄のデニム生地と切り替えることによってサイドにシャドーが生まれ、着用したときの見た目をすっきりとさせる工夫もしています。生地はリサイクルコットンを使用した10オンスのデニムを採用。やや軽めのオンス数なので、通年ではけるアイテムになっています。
item no.02
Work Jumpsuits
ワーク ジャンプスーツ
item no.02
Work Jumpsuits
ワーク ジャンプスーツ
細かなニュアンスを形にする
コミュニケーションの濃度
さまざまな着こなしのアレンジを楽しめる「Work Jumpsuits」は、トップはほどよいコンパクト、ボトムはタック入りのワイドなシルエットに仕立て、着こなしやすくデザインしたアイテムです。「NKJ」では基本的に10オンスのデニムを使用するのですが、こちらはより軽めの7オンスの生地を採用しました。それによって作業着感が薄れ、女性らしい繊細さを表現すると共に、着心地もよりライトになっています。でも、生地が変われば、色落ちの加工にも工夫が必要。こだわったのは、そうした色落ちの度合いです。コレクション全体のトーンと合わせるために、納得のいく色合いを追求しました。色の認識には感覚的なものも含まれるため、生産とのニュアンスの擦り合わせが肝心。生地の色見本を何度も作成して、共通言語を増やしていきました。そうしてコミュニケーションの濃度を高めることによって、極限まで色の表現にこだわって誕生した1着なんです。
item no.03
Remake Coverall
リメイク カバーオール
item no.03
リメイク カバーオール
ブルーとピンクが織りなす
繊細な色のマリアージュ
ヴィンテージのカバーオールのデザインを再構築した「Remake Coverall」です。ドットの生地と一緒に継ぎ接ぎしながらアクセントを作っているのがポイント。背面にはリボンをプラスして、シルエットを調整できるようにしました。こちらのディテールは「NKJ」のアーカイブにあったもので、前任のデザイナーへのリスペクトを込めてオマージュしています。デザインにこだわる一方で、この薄くピンクがかった色味も見どころのひとつです。「NKJ」では長年に渡って同じメーカーさまに依頼しながら、何度も目線合わせ、やっとのことで実現した色味。インディゴのデニムの色を極限まで抜き、そこにピンク色を重ねているのですが、淡いブルーとピンクが混ざり合ったような繊細なトーンを表現するのに努力しました。私たちの無理難題に対して、「新しいことにチャレンジする楽しさがある」とイヤな顔をせず向き合ってくれるメーカーさまには、本当に感謝しかないですね。
item no.04
Suspender Denim
サスペンダー付きデニム
item no.04
Suspender Denim
サスペンダー付きデニム
誰でもキレイに穿けるように
導き出した最適解
ニコアンドのお客さまは、スタイリングを楽しむ気心にあふれています。そんな方々に向けてデザインしたのが、こちらのアイテム。私物で愛用しているヨーロッパヴィンテージのワークパンツをベースに、ベルトやサスペンダーを加えて、着こなしのアレンジができるようにしました。シルエットはソフトなコクーン型。柔らかなカーブが描かれるように仕立てていますが、誰がはいてもキレイなラインが生まれるように、ウエストの位置にこだわりました。低身長の私自身はもちろん、いろんな体型のフィッティングモデルにサンプルを試着してもらいながらウエストのフィット感やもたつきを改善し、そこから生まれるシルエットも調整して最適解を見つけています。あとはプリントで表現した花柄にも注目です。さりげないアクセントになるように、プリントのかすれ具合をチェックしたり、グラフィックもあえて抽象的に描いたりすることで、ワードローブに取り入れやすいアイテムを目指しています。
item no.05
2Way Denim Dress
2WAY デニムドレス
item no.05
2Way Denim Dress
2WAY デニムドレス
「神は細部に宿る」を実現する
ディテールへのこだわり
スタイリングで遊びたいときに羽織るものがあったらいいなと思ってデザインした「2Way Denim Dress」は、前後2wayで着られるアイテム。“ミニドレス”という名前の通り、広がりのある絶妙なシルエットと丈感が女性らしさを演出する一方、ベストのような感覚で簡単に取り入れられる気軽さも意識しました。インナーとの合わせが楽しめるように首元の開きを調整したり、袖の大きなアイテムとも組み合わせやすいようにアームホールにゆとりを持たせたりなど、使い勝手にも気を配っています。「NKJ」では縫製にもこだわり、本来なら簡素化できるところも、手間のかかるステッチ方法をあえて取り入れています。それによってデニム特有のアタリが生まれるなど、なじみのある表情に仕上げているところもポイントです。お客さまに気に入っていただき、何度でも着たくなるデザインが目標。そのため、細部までしっかりと工夫を凝らしています。
item no.06
Wide Capri Denim
ワイド カプリ デニム
item no.06
Wide Capri Denim
ワイド カプリ デニム
一朝一夕では生まれない
デニムのナチュラルな表情
ボーイッシュなデニムのハーフパンツを女性がクールにはきこなす姿をよく見かけます。「Wide Capri Denim」は、それをよりモードにアレンジした1本。参考になったのは、むかしトレンドだったガウチョパンツです。多くのひとに馴染みがあるアイテムで、それをスカートのように優雅なシルエットで表現することで、いまの気分を反映しています。さらにウエストをアシメントリーにして、腰回りにアクセントをつくり、随所に生地が削れたようなグラインダー加工を施して表情をプラス。ただ、加工に関してはやりすぎないようにしているところもポイントです。「NKJ」はワードローブに溶け込むデザインを心がけているので、色落ちの加工も含めて自然な仕上がりを目指しています。そのナチュラル具合もメーカーさまとの関係値によって生まれるもの。一朝一夕ではできない表現こそ、このラインの魅力でもあります。