狙いはZ世代。 niko and ...が学生マンションを
初プロデュース!

毎回好評の日鉄興和不動産とのコラボレーション企画。
3度目となる今回は、ブランド初の学生マンションのプロデュース。
学生にとって居心地のいい空間づくりのポイントは? 協業の狙いとは?
今施策のキーマンとなるお2人にお話を伺いました。

猪狩甲隆さん

日鉄興和不動産株式会社 常務取締役 住宅事業本部長

星野 明さん

株式会社アダストリア 執行役員 営業統括本部 副統括本部長 兼 営業第2本部長

学生マンション
「リビオセゾン亀有」

Q:本日はよろしくお願いします! 早速ですが、今施策に至った経緯を教えてください。

猪狩:弊社としても、学生マンションを単独のデベロッパーとして手掛けるのは初めてのことなんです。このゾーンはプレイヤーも多く、私たちは後発組なので、差別化をしないとリーシングが難しい面がありました。学生の心に響くものはないか? と考えるなかで、いまの大学生の方々はカフェやバーのようなおしゃれな共用部で過ごしたいニーズが高いと判明しました。そこでパートナーを組むなら、これまでもコラボ実績があるniko and ...かなと思い、ご連絡致しました。

星野:ありがとうございます。niko and...を立ち上げた当初は、30代前半の結婚して家庭ができ、郊外に移り住んだ女性というのがターゲットでした。しかし今現在のお客様は20~40代までの男女と比較的幅広く、また学生さんたちがトートバッグを通学バッグとして使ってくれたりもしています。そんな学生さんたちに向けた素敵な暮らしを表現し、ブランドの入り口としてタッチポイントを持つことで、ライフスタイルのカスタマージャーニーを描くことはできないかと常に考えていたんです。学生マンションは、まさしくな案件でした。

Q:学生マンション「リビオセゾン亀有」はどんな物件なんですか?

猪狩:亀有駅から10分程度の住宅街にあり、本来なら戸建てが適している静かな住環境にあります。実はこれまで、葛飾区の条例で学生マンションが認められていなかったため、今回が初めての物件になります。周辺には東京理科大学や東京電機大学などの大学も多いですし、学生にとってリーズナブルで生活しやすい場所になることでしょう。家賃は7万4500円~8万4000円ぐらいで、広さは17.4㎡。共用部にはダイニングとキッチンを用意しており、食事付きかどうかも選べるようになっています。

「リビオセゾン亀有」完成予想CG

Q:大学生にぴったりですね。デザインや雰囲気もいまっぽくて新しい。

猪狩:現代的なシェアハウスの側面と昔からある学生寮・下宿の進化版ということで、人を集めたくなるようなコミュニティを目指しました。マンション名に入っている“セゾン”は、季節を意味するフランス語です。四季を楽しめる特色のある空間で多彩な生活を送って頂きたいと考えています。niko and ...には、お部屋と共有部分のプロデュースをして頂きました。

星野:niko and ...は「衣・食・住・遊・知・健・音・旅・TOKYO」の9要素を〝ユニークセンス(uni9ue senses)〟と設定し、さまざまなモノ・コトを提案してきました。そんな私たちが暮らしをデザインすることで、学生ならではのニーズに対応しつつ他とは異なるアプローチもできるのではないかと。まさにユニークでワクワクして頂ける、そんな世界観がVMDを含めて表現できると自負しています。

これまでの
両社の取り組みについて

Q:そもそも、業界の違う両社がコラボレーションしたきっかけは?

猪狩:初めてコラボレーションしたのは2018年、「リビオ錦糸町」の分譲マンションからでした。どう集客をしようか思案していた際に、若手社員から「niko and ...さんと一緒に取り組んでみませんか?」と提案があったんです。調べていくと、「人や、くらしに[スタイル]を加えることで自分らしさを創造するしあわせを提供します」というブランドコンセプトがとても素敵で。私たちの目指すものとも合致しており、協業の依頼をさせて頂きました。

星野:niko and ...は生活雑貨やファッションから始まり、2016年から「niko and ... FURNITURE & SUPPLY」として家具を取り扱ってきました。当初は店舗とEC販売のみだったのですが、モデルルームや家具付きの賃貸マンションなど、お客様に実際の暮らしで使って頂いたお客様の声が分かる取り組みがしたかったんです。なので、お話を頂いたときすぐにピンときて「ぜひお願いします!」とお伝えしました。

Q:その最初の取り組みが「リビオ錦糸町」だったんですね。

猪狩:外観、共用部のデザイン協力と内装のカラーセレクト、そして、インテリアコーディネートで協力頂きました。メインのモデルルームはもちろん、スタイリッシュなエントランスホールや遊び心のある外観デザインなどを含めて、とても評価されたんです。住宅に対する興味はなくても、ファッションや雑貨に惹かれてお越し頂くお客様が多くて。ファッション系メディアに取り上げて頂いたことも印象的でした。改めてniko and ...さんの高い情報発信力を実感しましたね。

星野:私たちはファッションブランドとして、生活雑貨とアパレルを扱うお店の内装を国内で約140店舗構えています。商品が見やすく、わかりやすく、かつエモーショナルであることに重きを置いた空間づくりに取り組んできました。それが実際に暮らすとなると、また違う機能が求められます。日鉄興和不動産さんと取り組ませて頂くなかで得られる専門的な知見が、家具の企画開発に大いに役立っていますし、これからのシナジーにもつながると期待しています。

「リビオ錦糸町」のエントランスホール

Q:昨年実施した第2弾のコラボでは、日鉄興和不動産が運営する施設「+ ONE LIFE LAB(プラスワンライフラボ)」とベッドを協業されました。

猪狩:「+ ONE LIFE LAB」 は、1LDKのコンパクトマンションの開発を強化するなかで、単身世代に特化してマンションを販売するだけでなく、シングル世帯について研究するラボとして2017年に開設しました。定量調査やワークショップ、グループインタビューなどを通じて、エンドユーザーの声に寄り添っていることが特徴です。ここでもniko and ...のブランドコンセプトに強く共感し、オリジナルのインテリアを提案する企画として、睡眠をテーマにベッド周りへチャレンジしました。

星野:くつろげるだけでなく、仕事にも集中できるカフェのような空間を求めていること。ワンルームや1LDKでも人を招くための空間と、ひとりでくつろげる空間を分けたいという多くの意見。収納スペースに不満があるということなど、実際にひとり暮らしをしている方の生活や、リアルな声を聞けたことがniko and ...にとっても大きな収穫になりました。

「+ONE LIFE LAB」 銀座ギャラリー コンセプトルーム

Q:コラボレーションを重ねていけばいくほど、お互いのプラスになっているんですね。

猪狩:協業事業は、相手が目指している方向に共感できるかどうかを大事にしています。そういう意味でも、niko and ...とは相性がよかったと思っています。

不動産×アパレル、
未来への展望

Q:いま考えているプロジェクトなどはありますか?

猪狩:実は学生マンションだけでも、あと7棟ぐらい計画がスタンバイしています。西亀有がうまくいけば、どんどんコラボレーションしていきたいですね。「+ ONE LIFE LAB」では、引き続きミレニアル世代やZ世代のリアルな声を聞きながら、彼らに提供できる住まいや暮らしの在り方を提案し続ける予定です。

星野:4月1日に社内の新組織として「ライフスタイルクリエイション部」が新設され、これまで以上にBtoB向けのサービスやクリエイティブなどを推進できる体制が整いました。ブランドの幅を広げ、ターゲット・テイストの相性がいいところで、いろいろな可能性を模索していけたらと。

Q:最後に、両社の展望を教えてください。

星野:商業施設が次々と開業し、大量に出店していくという時代ではなくなりました。そこに住宅という新しいチャンスを頂き、しかも人々の暮らしに密着したものを手がけるということは、スタッフにとってもやりがいにつながりますし、ブランドロイヤリティの高まりにもつながります。niko and ...やアダストリアが演出した空間で生活してもらえるということは、店舗を構えているだけではできないブランドの魅力創出にもリンクしていきます。私たちが本物になっていくのには、本物の方々と取り組ませていただくことが重要なんです。日鉄興和不動産さんが、暮らしに信頼感を与え、さらには私たちの商品やブランドに信頼感を与えることに大きく寄与してくれると期待しています。

猪狩:改めて、住宅マンションに興味のない、これまで接点のなかった層へもアプローチできることは非常に重要な点と考えています。「衣食住」という暮らしを構成させる要素として共通項は多いものの、ファッション業界との協業実績が少ないのが現状でした。niko and ...の発信力から入ってくるミレニアル世代に、「+ ONE LIFE LAB」の取り組みや、学生マンション事業の取り組みをPRできることはとても有効な効果で、認知効果も抜群です。アダストリアさんは、さまざまな世代・ターゲットへ向けたブランド展開をしているので、他のブランドともぜひご一緒させて頂きたいですね。

Photo_Mitsugu Uehara
Text_Kumi Matsushita
Edit & Design_ Rhino inc.

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